おととしの秋分の日に登った秋田駒ケ岳が、私たち夫婦で行く登山の始まりでした。あの時は仕事が忙しくてお盆の休みが取れず、無理やり休みを取って行ったんだったなぁ。その時の台風一過による偶然の天気の良さで気を良くし、山登りが楽しくなり、趣味にしようと何度も計画しましたが、言っているだけで2度目の登山はなかなか実現しませんでした。その時駒ヶ岳の頂上から見えた岩手山が、いつもの風景とはかけ離れた景色だったのに驚いたものです。
今年はなんとか趣味を実現しようと、2年ぶり2度目の登山をすることにしました。昨日から天気は最高で晴天続き、ただ、昨日は一日中岩手山の山頂に重そうな雲がかかっていたので、岩手山に登った人は苦労しただろうと思います。昨日に比べ今日は雲一つない秋晴れです。まるでおととしの駒ヶ岳登山の時のような晴れ具合でした。
先週に岩泉・葛巻方面へ軽くドライブをしていたので、私がまだ走ったことのない葛巻・久慈方面(盛岡より北東、太平洋の方向)にドライブをしたいと思っていました。登山の行き先を決めるのは奥さんです。いつも「山のえほん」という岩手の山の解説本を見ています。岩手山のふもとには三ツ石山という山があって、どうやらこの山、3時間あると往復できる初心者向けの山のようなので、今回はここかなと思っていたら、奥さんの選んだ山は、安家森(あっかもり)という山でした。名前の通り山というよりは森なんでしょうけれど、安家森近辺からは岩手山も見えるし、太平洋も一望できるというのです。
盛岡から太平洋側に出るときは、山越えの際にトンネルを通ることが多く、また通常、道路が川沿いを走っているため、海が見えるのは険しい山々がいきなり終わったとき、目の前に海岸が広がるというパターンが多いです。それはそれで見事なのですが、山の上から三陸海岸を一望できる場所があるとは今まで知りませんでした。今回の行き先(沼宮内→葛巻→安家森、その先は、平庭峠、山形村、久慈市と海へ出ます)は、太平洋に抜ける真ん中の一番標高が高いところなので、そこから岩手山側と太平洋側が両方見えるらしいのです。
ちなみに、盛岡より太平洋側の山並みを北上山地といいます。ここの地層は古く、山が侵食されているため山肌が柔らかくなだらかで、温泉はほとんど沸いていません。また、盛岡より日本海側の山並みは奥羽(おおう)山脈と言い、こちらは火山が多いです。岩手山や、秋田駒ケ岳などですね。当然こちら側は温泉の宝庫です。今回の安家森は北上山地の真ん中です。
森なら楽勝!ということで油断してしまい、出発するときはすでに9:30になっていました。天気が変わりやすいので登山は午前中が勝負というのに、このままでは着いたらお昼になってますね。途中の葛巻町では盛岡から1週間遅れて秋祭りをやっていました。町を横切る幹線の国道で山車を引っ張るものですから、車が後を付いていく形になります。
お囃子も口上も山車も盛岡の八幡と似ています。でもちょーっと違うあたりに味がありました。 その後葛巻町を抜けるあたりで一度道を間違えましたが、なんとか安家森に12:00に到着。駐車場はすでに登山から帰ってくる人たちで混雑していました。まあ、天気は最高だし風はないし、これから出発でも心配することはないでしょう。なんていったって今回は山登りではなくて、「森登り」なのだから。靴は2人ともスニーカー。これじゃ完全に山をなめきっていますね。
登山口には登山者ノートなるものがありました。誰が登ったか、誰が降りてきていないかを記録するノートです。秋田駒ヶ岳ではこういう記録は無かったので2人とも初めての経験でした。森登りだぁーとたかをくくっていましたが、本当の登山ですこれは!
生まれて初めて登山者ノートに名前を書き込む奥さん。感動してました。 安家森まで1.3k、その向こうに遠別岳があって、そこまでは3km、これが近いのか遠いのか、良くわかりません。 ちなみに安家森の標高は1239m、遠別岳はこれより4m低くて1235mです。後で地図を見てわかったんですが、駐車場の標高はなんと、1159m。随分登ったり降りたりしたような気がしますが、標高差にすると80mぽっちだったんですね。こりゃまたなんてこった。
10分ほど歩くと、どうやら安家森らしきものが見えてきました。しかし道は牧場の中です。ばら線で仕切がしてあり、登山者は牧場の入り口を開けて入り、きちんと閉めていって下さいとのこと。
前に見えるのが安家森だと思って登りましたが、安家森はこの左側でした。道が続いていますが、道の真ん中に牛が寝ています。うー、頑張れ奥さん! でっかい牛。まさか追いかけてはこないと思いつつ、これだけでかいと少しおっかなびっくりになります。私たちの後ろに来た人は牛がいたので柵を開けずに帰っちゃいました。 正面に見えるのが安家森です。途中まで岩ががらがらころがっていて、上のほうは木が茂っています。ここからでは周りの景色はほとんど見えません。
結局、今登った右側の小高い丘は安家森ではありませんでした。丘から降りて今度は安家森へ。頂上まではあっと言う間でしたので次に迷わず遠別岳に行くことにしました。安家森頂上から遠別岳はすぐ隣に見えるのですが、間に深い谷があって直線では行けそうになく、随分回り道をして行かないとなりません。それも一度ずっと下まで下がってからです。
安家森を降りてから牧場の出口を探すのにも一苦労しました。安家森の頂上で一緒だった人たちが私たちの後を歩いてくるので、あの人たちについていこうか、と思ったら、彼らも私たちの方向に歩いてきます。仕方がないのでもっと先を探すことにしました。牛達が皆で移動して来ていたので、私たちの周りをうろうろしています。牧場の牛ってのは人に慣れているので追っかけてきたりはしませんよね。たぶん。牛の間を冷や冷やしながら歩いていくと、やっと出口を見つけることができました。